甘草が国民的ハーブと呼ばれる理由|5000年愛され続けた秘密

甘草が『国民的ハーブ』と呼ばれる理由|古代メソポタミアから現代まで、5000年間愛され続けた理由 ハーブ雑学コラム

【2026年4月】甘草が国民的ハーブと呼ばれる理由|5000年愛され続けた秘密

はじめに

あなたが毎日口にしている医薬品やお菓子の中に、古代メソポタミアの王たちも愛用していたハーブが隠れているとしたら?実は、現代の日本で最も使われているハーブは、あのシナモンやラベンダーではなく、ほとんど目立たない存在である「甘草」なのです。医薬品・食品・美容製品など、あらゆる分野で密かに活躍しているこのハーブ。一体なぜ、これほどまで長く、世界中で愛され続けているのでしょうか。その答えは、5000年遡る遠い歴史の中に隠されています。

甘草が国民的ハーブになった起源・歴史

甘草の歴史は想像以上に古く、今から約5000年前の古代メソポタミア(現在のイラク周辺)にまで遡ります。当時、楔形文字で記された粘土板には、すでに「甘い根」として甘草が記録されていました。その後、古代エジプトではミイラの防腐処理に、古代中国では紀元前1100年頃の医学書『詩経』に掲載される重要な医薬品として扱われました。

特に注目すべきは、中医学の世界での位置づけです。中国の古典医学書『神農本草経』(1世紀ごろ成立)では、甘草は「君(くん)」と呼ばれる最高位のカテゴリに分類されました。これは、他の薬草をまとめ、調和させる力を持つという意味。つまり、甘草は単なる一つのハーブではなく、すべてのハーブの「調整役」として認識されていたのです。

ヨーロッパへの伝来は中世となり、スペイン経由でアラビアから伝わったと言われています。16世紀には、イギリスでも甘草の栽培が本格化し、ロンドンの「甘草農園」は著名な産地として知られるようになりました。江戸時代の日本でも、甘草は「国防ハーブ」として重視され、取引を厳しく統制する政策が取られるほどでした。こうした各地での需要の高さが、甘草を「国民的ハーブ」たらしめた理由の一つとなったのです。

甘草の名前の由来・語源

「甘草」という名前は、その特徴をそのまま表しています。根が甘いことから「甘い草」と書いて「甘草(かんぞう)」。非常にシンプルかつ、その本質を言い当てた名付けと言えます。英語の「licorice(リコリス)」は、ギリシャ語の「glykys(甘い)」と「rhiza(根)」を組み合わせた「glukyrrhiza」が語源。世界中でこのハーブの甘さが、最も重要な特徴として認識されてきたことが伝わります。

興味深いことに、「licorice」という言葉が生まれた時代には、すでに砂糖が希少品だった時代です。つまり、甘草の甘さは現代人が想像する以上に珍重されていたのです。中国では「甘草根」とも呼ばれ、アラビア地域では「スールの根」と呼ばれていました。地域によって異なる呼び名を持ちながらも、どの地域でも「甘い根」という共通認識を持つハーブ。それが甘草の普遍的な価値を物語っているのです。

世界各地での甘草の使われ方

中国では、甘草は漢方の世界で圧倒的な存在感を発揮しています。約70%の漢方薬に配合されていると言われ、他の生薬の効果を高め、副作用を緩和する役割を担っています。風邪の初期症状に用いられる「桂枝湯」、消化器系の不調に使われる「甘麦大棗湯」など、身近な処方に甘草は欠かせません。

イランやアフガニスタンでは、甘草の栽培地として世界でも有数の産地です。中東地域では古くから、甘草を煮出したドリンクが栄養補給や体力維持のために飲まれてきました。砂漠の行商人たちが携帯する水筒には、甘草の根が入っていたとも言われています。

ヨーロッパでは、特にドイツとイタリアで甘草が重視されてきました。ドイツの伝統医学では「万能薬」として位置づけられ、現代でもドイツの薬局には必ず甘草関連の製品が並んでいます。スウェーデンでは甘草をキャンディーに加工し、子どもから大人まで親しみやすいお菓子として今も人気があります。日本でも、漢方医学の浸透により、現代の医療現場でも甘草は頻繁に処方される存在です。

甘草に関する知られざる豆知識

意外かもしれませんが、甘草の甘さは砂糖の約50倍という驚異的な強度です。そのため、製菓産業では甘味料としての利用も進んでいます。さらに興味深いのは、その甘さの主成分「グリチルリチン」という物質が、単なる甘味料ではなく、様々な働きをサポートする成分として注目されているということ。これが、甘草が医薬品から食品、美容製品に至るまで、あらゆる分野で活躍する理由なのです。

また、甘草の根は樹齢が長く、同じ畑で何度も収穫することができません。そのため、自然界では非常に重要な資源であり、過去には乱獲による絶滅危機も経験しています。国連の機関も甘草の持続可能な利用を推奨するほど。つまり、5000年にわたって愛用されてきたハーブが、現在では希少性を帯びた存在になっているのです。

さらに、近年の科学研究では、甘草に含まれるポリフェノールやサポニンといった成分が、様々な健康領域でサポート効果を期待されていることが明らかになってきました。古代の人々が直感的に感じた「甘草の価値」が、現代科学によって少しずつ解明されている最中なのです。

現代での甘草の楽しみ方

春の季節変わりで体が敏感になっているこの時期だからこそ、甘草を意識的に取り入れてみるのはいかがでしょうか。甘草は単体で飲むよりも、他のハーブとブレンドすることで、その調和の力を最も活かせます。気になったら、甘草が配合されたハーブティーやブレンド製品を試してみることで、5000年の歴史を体験してみてください。古代の王たちも、中世の旅人たちも、現代の私たちも。同じ甘さを求めて、このハーブとつながっているのです。

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まとめ

古代メソポタミアから現代まで、一貫して世界中で愛されてきた甘草。その理由は、単なる甘さだけではなく、他を調和させるその独特の力にあります。医薬品、食品、美容製品など、あらゆる分野で活躍し続けるこのハーブは、人類が長年にわたって信頼してきた「パートナー」なのです。季節の変わり目である春の今こそ、5000年の智慧が詰まったこのハーブの力を、自分の生活の中に優しく取り入れるベストタイミング。一度その味わいを知れば、古い時代の人々の想いが現代へと受け継がれていることを感じられるでしょう。

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この記事の監修・著者

下堂薗 万里子(MARIKO SHIMODOZONO)

ハーブ美容家

クレイソムリエ/アロマテラピーアドバイザー/アロマブレンドデザイナー/ハーバルセラピスト。鹿児島市岡之原町で無肥料・無農薬ハーブ農園(50種以上・3,000㎡)を運営。鹿児島県より化粧品製造業・製造販売業の認可取得。植物本来のチカラを活かした情報を発信しています。

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下堂薗 万里子 ハーブ美容家
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